大地の素肌を現す

土と水 浅埜水貴個展

企画展

2023年12月09日 ~ 2024年03月24日

休館日:火・水

日本画の顔料や染料、膠を用いて制作する浅埜水貴(あさのみずき)の個展を開催いたします。 変わり表具の掛け軸、古い建具を使った「建具のシリーズ」、淡路島の土を使いSHIDOの土壁との調和をねらった額装なしの作品、舵板を基底材とした作品から額装の小品、巻子までとさまざまな形態の作品を展示しています。 作者は伝統について興味を持ち、日本画材の要となる膠の製造体験や和紙工房への見学など素材についての再研究を行っています。 本展覧会は「過去の眼を通して何が視えるのだろう」をキーワードに土壁と日本画の伝統を介して何が見えるのかを思考する空間となっています。 土に囲まれたSHIDOの空間で、作品をご高覧いただければ幸いです。

企画展について

■作品への想い(テーマ)
水、膠、古くからある絵具、新しい絵具、さまざまな支持体日本画には歴史的な繋がりも、画材自体の美しさもあるなかでも原始的な素材を扱うことに魅かれている伝統という言葉の解釈を間違えれば、それはとたんに色褪せてしまう過去の眼を通して世界の機微に触れていく

■作品詳細
1.『波間』1310×542㎜ 軸装 2023年 岩絵具、棒絵具、薄美濃紙、大﨑膠(鹿)
2.『水迦微(みずかみ)』1800×1770㎜ 2021年 岩絵具、水干絵具、箔、白麻紙、牛皮和膠、古扉
3.『あらしのあと』345×877×62㎜ 2023年 岩絵具、淡路土、淡路黄土、黒土、絹、牛皮和膠、古窓
4.『水脈』306×860㎜ 2023年 岩絵具、淡路土、淡路黄土、黒土、藍、白麻紙、牛皮和膠
5.『銀の花』1820×275×110㎜ 2023年 銀箔、藍、黒土、大﨑膠(牛)、舵板
6.『ヤマイヌ』1400×650㎜ 2023年 岩絵具、水干絵具、黒土、白麻紙、牛皮和膠
7.『揺れる音』M30号 2023年 岩絵具、水干絵具、黒土、白麻紙、牛皮和膠
8.『ものがたりの狭間』 P4 2023年 岩絵具、棒絵具、白麻紙、牛皮和膠 
9.『海の品々』F4 2023年 岩絵具、水干絵具、コチニール、白麻紙、牛皮和膠 
10.『器』F3 2023年 岩絵具、水干絵具、淡路土、黒土、藍、白麻紙、牛皮和膠 
11.『まだ名前のない子』238×170㎜ 2022年 岩絵具、パステル、牛皮和膠、木材
12.『日本鶏図』 2017年 7500㎜×480㎜ 岩絵具、水干絵具、棒絵具、箔、染料、大和七宝紙、牛皮和膠

展示アーティストについて

浅埜 水貴ASANO MIZUKI
■略歴
1989 愛知県生まれ
2016 公益財団法人佐藤国際文化育英財団26期奨学生
2018 広島市立大学 日本画研究室 実習補助員(~2020)
2020 広島市立大学芸術学部 日本画研究室 非常勤助教(~2022)
現在 日本美術院院友、神戸市在住

■受賞歴
2020 再興第105回院展奨励賞
2018 広島信用金庫日本画奨励賞
2016 清風会芸術奨励買上賞(五日市記念病院/広島)
2015 広島市立大学大学院修了制作優秀賞、修了模写「春日鹿曼荼羅 奈良国立博物館所蔵」研究室買上
2013 広島市立大学芸術学部卒業制作優秀賞買上
その他、2022年には長野県にある戦没画学生慰霊美術館 無言館の併設施設 槐多庵にて個展を開催、砂洲に立つ(広島芸術センター/広島 助成 エネルギア文化・スポーツ財団) 等グループ展多数。2018年〜2022年度の間、広島護国神社にて大絵馬を奉納。
公式ウェブサイト/https://www.asanomizuki.com/